『セレヌス大陸』の西方に位置する平原地帯『エオス』
その北方の境界線にある七つの砦を中心に、数百年にわたって行われていた同盟軍と魔軍との攻防戦は、ダークエルフの女王の力の衰えをきっかけにして、最終的な局面を迎えるようにみえた。
女神の生まれ代わりであるハイエルフ呼びかけの元、『七盾同盟』を結成し魔軍に対抗し続けた同盟軍は、この戦いに終止符を打つため、ヴォルトを頭とする傭兵軍団――黒犬傭兵団に総力戦の前衛を依頼する。
しかし黒犬傭兵団はダークエルフの女王の国を侵略した後、その国に本拠地を移し、かつての味方の国へ侵攻を開始した。
驚き、慌て、憤り、悲しみ……様々な反応をみせる同盟側に対して、傭兵軍団を率いる裏切りのヴォルトが出した宣言に、同盟側の人々は耳を疑った。
国中の女たちが、訪れる不特定多数の男性たちに性的奉仕を行う『奉仕国家』の建国宣言―――
そして、同盟側の女たちは、この建国宣言が嘘でも誇張でもないことを、その身をもって知ることになる。